咀嚼音のASMRで快・不快を分ける要因はテンポの差

この記事に書いてあること

咀嚼音のASMRの快・不快を分ける要素は何か。

それは、自分の咀嚼テンポと動画の咀嚼テンポの差にありました。

以下では、実際に視聴した数十個の動画と、それらを様々な切り口で分析した結果について詳しく書いていきます。

咀嚼音ASMRとは

咀嚼音というのは、物を食べたときに出るクチャクチャという音のことで、ほとんどの人が不快に感じる音です。

ですが、ASMRという音フェチ界隈ではかなりの支持を集めているコンテンツであり、YouTubeでは専門のチャンネルまであります。

物は試しと視聴したところ、不快なものばかりではなく、心地よいと感じるものが確かにあったのです。

そこで、数十個に及ぶ動画を実際に視聴し、咀嚼音ASMRの快・不快を分ける要素は何か分析してみることにしました。

※快・不快判定および考察は個人の主観に基づいたものであり、動画そのものの質に言及するものではありません。

視聴した動画と分析結果

なにはともあれ、まずは結果一覧です。

ちゃんと解説します！

解説と考察

それでは一緒に見ていきましょう！

視聴した動画の要素を「誰が (who)」「何を (what)」「どんな風に (how)」食べたかで整理しました。

• who: 性別や年齢、見た目が好みであるか
• what: 自分が好きな物を食べているかどうかが影響するか
• how: 食べ方が支配的因子なのかどうか

whoの切り口

当初の僕は、見た目が全てだと思っていました。

可愛い女性だったらだいたいオッケーでしょ、的な。

ですが、結果は違いました。

• No. 1や8は男性の動画ですが、しっかり心地良く感じられました。
• No. 6, 14, 15は同じ人ですし、外見も好みでしたが快・不快判定に差が出ました。

whatの切り口

僕が好きなものを食べてる動画の方が、「美味しそうだ！」と思って心地よく感じるのではないかという発想です。

ただ、これもアテが外れてしまいました。

• No. 1, 2 ,6で食べているのはお菓子類で、快判定です。
• 一方、No. 24, 26~28で食べているのはチキンで、不快判定です。

僕はお菓子類よりも圧倒的にチキンが好きだったので、この判定には驚きました。

howの切り口

表の順序でお察しのとおり、食べ方こそが快・不快を分ける最大の要素でした。

僕にとっては、咀嚼テンポが80~90以下が心地よく感じられるようです。

もう少し詳しく見ていきましょう。

• bpm 80以下の場合は、快く感じられるとともに、静かに食べているように感じる傾向もありました。
• bpm 90~100あたりでは、快でも不快でもなく、普通に食べているように感じる傾向がありました。
• bpm 110以上の領域は、食べ方が豪快だと感じられた場合に不快になりました。

bpm 80~90が何のテンポなのかと色々なもののテンポを計測したところ、僕自身の咀嚼テンポがまさにbpm 90だったのです。

おそらく、自分の咀嚼よりゆっくりの場合にはそっと気遣っているように感じられ、逆に自分より速い場合には無神経で汚らしいように感じられるのだと思われます。

その他、気づいたこと

しんどい動画

No. 29~30は「しんどい」という他にはない判定です。

しんどさがどこから感じられるのか繰り返し視聴して気づきました。

これらの動画は咀嚼に集中して小刻みに編集されており、「飲み込む間もなく食べ物を口に運んでいるような息苦しさ」があるのです。

動物の咀嚼音

No. 31~33は動物の咀嚼動画です。

どれも動物ですが、No. 31の判定とNo. 32~33の判定に差があります。

No. 31の犬はbpm 120であり、これは人間でもあり得るテンポです。そのため、聴覚的には動物の咀嚼音に感じられず、不快な人間の音として感じられたのだと思います。

対してNo. 32~33のテンポはbpm 240超えですので、明らかに人間ではありません。人外の小動物の咀嚼音は、可愛らしく感じられるようです。

子どもの咀嚼音

No. 22~23の咀嚼テンポは120~130であり、本来なら不快判定でも不思議ではありません。

おそらく人物が幼い場合、動物の咀嚼音と同様の補正がかかっているのだと考えられます。

咀嚼音に限らず、よくありますよね。

成人がやっているとイライラするけど、小さい子供だと許せる、というか可愛らしささえ感じる。

みたいな。

まとめ

• 咀嚼音ASMRの快・不快を分ける要素は、自分の咀嚼テンポと動画の咀嚼テンポの差だった。
• 飲み込むシーンをカットするとしんどくなる。
• 子どもと動物には許容幅が広がる。