この記事に書いてあること
陽線が3回続いたら、その後の株価は上昇するのでしょうか?
結論から言えば、下落します。これはローソク足パターンの傾向分析という本でも言及されています。
先日のバックテストで得られた知見を、そのままローソク足パターンに適用したらどうなるか。
この記事では、実際の価格データを使ったバックテスト結果を踏まえて書いていきます。
テスト条件
今回のバックテストは以下の条件で行ないました。
元データ
DATA-GETから入手した株価情報を用いました。
テスト対象
- 銘柄: 東証一部上場銘柄 (ETFは除外)。
- 期間: 1990/01/09~2021/02/18。
トレード条件
参入
- 参入のローソク足パターンはこの本の条件に従う
- 前日の終値は120円超
- 前日の出来高は1億円超
- 参入する銘柄の優先度は終値の前日比の昇順
- 一日あたりに投下する資金額は固定し、3銘柄均等分散
退出
- 翌日の始値で成行売り
テスト結果
No. | ローソク足パターン | 最終利益 | 直線性 | 最大DD | 参入日数 | 勝率 | 平均利益 | PF |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
00 | パターンに依らない | 18.55 | 0.90 | -0.70 | 7638 | 56.4 | 0.002 | 1.51 |
01 | 並び黒 | 21.13 | 0.93 | -0.51 | 7637 | 57.8 | 0.003 | 1.64 |
02 | 並び赤 | -4.48 | 0.92 | -4.62 | 7630 | 48.2 | -0.001 | 0.87 |
03 | 下放れ並び黒 | 11.09 | 0.92 | -0.81 | 6903 | 54.2 | 0.002 | 1.36 |
04 | 上放れ並び赤 | 1.59 | 0.83 | -1.33 | 6976 | 51.6 | 0.000 | 1.06 |
05 | はらみ線 (陰・陰) | 10.95 | 0.91 | -0.49 | 6196 | 55.9 | 0.002 | 1.48 |
06 | はらみ線 (陽・陽) | -4.47 | 0.90 | -4.59 | 5748 | 45.6 | -0.001 | 0.85 |
07 | はらみ線 (陰・陽) | 7.69 | 0.95 | -0.46 | 6842 | 54.4 | 0.001 | 1.30 |
08 | はらみ線 (陽・陰) | 1.62 | 0.83 | -0.95 | 7030 | 50.8 | 0.000 | 1.05 |
09 | 上ヒゲ (陰) | 12.21 | 0.96 | -0.44 | 7619 | 55.2 | 0.002 | 1.37 |
10 | 上ヒゲ (陽) | 5.43 | 0.97 | -0.80 | 7624 | 52.0 | 0.001 | 1.17 |
11 | 下ヒゲ (陰) | 2.01 | 0.89 | -0.92 | 7632 | 50.6 | 0.000 | 1.05 |
12 | 下ヒゲ (陽) | -2.24 | 0.64 | -2.81 | 7623 | 49.1 | 0.000 | 0.94 |
13 | つつみ線 (陰・陽) | -0.72 | 0.00 | -2.01 | 6519 | 48.6 | 0.000 | 0.98 |
14 | つつみ線 (陽・陰) | 7.97 | 0.92 | -0.53 | 6719 | 53.4 | 0.001 | 1.28 |
15 | たくり線 (下ヒゲ) | 5.62 | 0.89 | -0.63 | 6129 | 51.1 | 0.001 | 1.20 |
16 | 振り分け線 | 7.83 | 0.97 | -0.44 | 3219 | 50.0 | 0.002 | 1.49 |
17 | あて首線 | 5.62 | 0.87 | -0.47 | 4495 | 51.1 | 0.001 | 1.25 |
18 | 差し込み線 | 7.70 | 0.95 | -0.49 | 6467 | 51.2 | 0.001 | 1.27 |
19 | 切り込み線 | 0.64 | 0.42 | -1.11 | 5823 | 49.2 | 0.000 | 1.02 |
20 | かぶせ線 | 9.63 | 0.94 | -0.48 | 6413 | 53.9 | 0.002 | 1.34 |
21 | 首吊り線 | -0.86 | 0.34 | -1.86 | 6126 | 49.5 | 0.000 | 0.97 |
所感
オーバーナイトトレードの成績としては、並び黒が一番良い結果になり、逆のパターンである並び赤は最低の結果になりました。
これ自体は参考文献と対して変わらない知見ですね。
特筆すべき知見としては、ローソク足パターンで最も良い参入ルールを採用したとしても、せいぜい10%ちょっとしか成績が改善しないということですね。
優位性が極めて高い参入パターンはローソク足ではないのかもしれないし、参入銘柄の優先度ロジックやフィルターの条件を詰める価値はありそうです。
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